Math Lab

数学にセンスはいらない。

複素数平面 1の n 乗根

問題

z^n=1のを満たす複素数 z を全て求めよ.

解答・解説

z^n=1を満たす z

   z=r(\cos \theta+i\sin\theta)\ \ (0≦\theta<2\pi)

とする.ド・モアブルの定理から

   z^n=r^n(\cos n\theta+i \sin n\theta)

そして,|z^n|=1 から r=1

よって,

\cos n\theta+i \sin n\theta=1 となる \theta を考えると

n\theta=2\pi k なので,\theta=\dfrac{2\pi k}{n}

となる.よって,

z^n=1 を満たす z

   z=\cos\left(\dfrac{2\pi k}{n}\right)+i\sin\left(\dfrac{2\pi k}{n}\right)

(0≦\theta<2\pi)なので,上式を満たす kk=0,1,2\cdots,(n-1) の全部で n 個ある.

つまり,z^n=1 を満たす z は全部で n 個あることになる.

具体的に k に数値を代入していくと,

   
\begin{align}
z &=\cos\left(\dfrac{2\pi \cdot 0}{n}\right)+i\sin\left(\dfrac{2\pi \cdot 0}{n}\right)=1\\
&=\cos\left(\dfrac{2\pi \cdot 1}{n}\right)+i\sin\left(\dfrac{2\pi \cdot 1}{n}\right)=\alpha\\
&=\cos\left(\dfrac{2\pi \cdot 2}{n}\right)+i\sin\left(\dfrac{2\pi \cdot 2}{n}\right)=\alpha^2 \\
&          \vdots\\
&=\cos\left(\dfrac{2\pi \cdot (n-1)}{n}\right)+i\sin\left(\dfrac{2\pi \cdot (n-1)}{n}\right)=\alpha^{n-1}
\end{align}

となる.

   \alpha=\cos\left(\dfrac{2\pi \cdot 1}{n}\right)+i\sin\left(\dfrac{2\pi \cdot 1}{n}\right)

とすると,z^n=1 を満たすのは,

1,\ \alpha,\ \alpha^2,\ \cdots,\ \alpha^{n-1} となる.

これは,半径1の円に内接する正 n 角形の頂点にあたる.

実は,1の n 乗根で重要なのが,

z^n=1 の解は半径1の円に内接する正 n 角形の頂点

になるということです.この結果を利用させる問題がよく出題されます.

具体的に,z^3=1z^4=1 の解を見てみましょう.

f:id:mathchem:20171013111359p:plain

それぞれ,内接する正三角形,正四角形の頂点になっています.

この図を用いると楽に求値できる問題も出題されるので,1のn乗根の問題では,この図を意識しましょう.

重要例題

z=\cos\dfrac{2\pi}{5}+i\sin\dfrac{2\pi}{5} とするとき,次の問いに答えよ.ただし,i は虚数単位である.
 (1) z^n=1 となる最小の正の整数nを求めよ.
 (2) z^4+z^3+z^2+1 の値を求めよ.
 (3) (1+z)(1+z^2)(1+z^4)(1+z^8) の値を求めよ.
 (3) \cos\dfrac{2\pi}{5}+\cos\dfrac{4\pi}{5} の値を求めよ.

(16 富山県立大)

解答・解説

(1) ド・モアブルの定理から,
   
\begin{align}
z^n&=\left(\cos\dfrac{2\pi}{5}+i\sin\dfrac{2\pi}{5}\right)^n\\
&=\cos\dfrac{2n\pi}{5}+i\sin\dfrac{2n\pi}{5}
\end{align}

これが 1 となるのは,\dfrac{2n\pi}{5}=2\pi k ( k は0以上の整数)のときで,これを満たす最小の自然数 nn=5

(2) z^5=1 より,
z^5-1=(z-1)(z^4+z^3+z^2+z+1)=0\cdots①
z\neq 1 なので,z^4+z^3+z^2+z+1=0

(3) (1)から z^5=1 なので,z^8=z^5\cdot z^3=z^3 となる.

   
\begin{align}
&\ \ \ \ \ (1+z)(1+z^2)(1+z^4)(1+z^8)\\
&=(1+z)(1+z^2)(1+z^4)(1+z^3)\\
&=(1+z)(1+z^2)(1+z^3)(1+z^4)
\end{align}

また,x^5=1 の解は

1,\ z,\ z^2,\ z^3,\ z^4 なので,

   (x-1)(x-z)(x-z^2)(x-z^3)(x-z^4)=0\cdots②

x^5=1 は①と同様に,

   x^5-1=(x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)=0\cdots①'

②,①'から

   (x-z)(x-z^2)(x-z^3)(x-z^4)=x^4+x^3+x^2+x+1

となる.

x=-1 とすると,

   (-1-z)(-1-z^2)(-1-z^3)(-1-z^4)=(-1)^4+(-1)^3+(-1)^2+(-1)+1

   ∴ (1+z)(1+z^2)(1+z^3)(1+z^4)=1


(4) x^5=1 の解は,1,\ z,\ ^2,\ z^3,\ z^4 で図のような半径1の円に内接する正5角形の頂点である.

     f:id:mathchem:20171013153422p:plain:w300

従って,

   z^1+z^4=\cos\dfrac{2\pi}{5}+\cos\dfrac{8\pi}{5}=\cos\dfrac{2\pi}{5}+\cos\dfrac{2\pi}{5}

(y 成分は打消し合って0になる.)

同様に,

   z^2+z^3=\cos\dfrac{4\pi}{5}+\cos\dfrac{6\pi}{5}=\cos\dfrac{4\pi}{5}+\cos\dfrac{4\pi}{5}

(2)のz^4+z^3+z^2+z+1=0に代入すると,

   2\left(\cos\dfrac{2\pi}{5}+\cos\dfrac{4\pi}{5}\right)+1=0

   ∴ \cos\dfrac{2\pi}{5}+\cos\dfrac{4\pi}{5}=-\dfrac{1}{2}