Math Lab

数学にセンスはいらない。

2016年 大阪市立大 非回転体 不等式の表す体積

2016年 大阪市立大 理系

(1) 0 以上の整数 n に対し,C_{n}= \displaystyle\int_{0}^{\frac{π}{2}}\cos^{n}xdx とおくとき,C_{n+2}= \dfrac{n+1}{n+2}C_n を示せ.ただし,\cos^{0}x=1 と定める.
(2) 座標空間内で,x^{2}+y^{2}≦1 , z+2{x^{2}}-x^{4} ≦1 , x ≧ 0 , y ≧0 , z ≧0 連立不等式の表す領域の体積を求めよ.                                                 

思考力,発想力なんかいらない!

不等式の表す立体の体積は,断面がわかりやすように切断します.

何の平面で切断すればよいでしょうか...


(1) 積分漸化式は部分積分です.(2)の計算で使うのでしょう.

   
\begin{align}
C_{n+2} &= \int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^{n+2}xdx\\
&=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}(\sin x)'\cdot\cos^{n+1}xdx\\
&={\Large[}\sin x\cdot\cos^{n+1}x{\Large ]}_{0}^{\frac{\pi}{2}}-\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\sin x\cdot(n+1)\cos^{n}x(-\sin x)dx\\
&=(n+1)\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^{n}x(1-\cos^{2}x)dx\\
&=(n+1)\left(\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^{n}xdx-\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^{n+2}
xdx\right)\\
&=(n+1)(C_{n}-C_{n+2})
\end{align}

   ∴ C_{n+2}=\dfrac{n+1}{n+2}C_{n}

★部分積分で同型出現


(2) 不等式の表す立体は想像できませんから,切断です.考えやすいように切断するには,

文字が多い,次数の大きい文字で切断せよ!

今回は x の字数が最も大きいので,x=t で切断します.すると x=t で文字定数に代わるので,4乗だろうが,ただの定数になります.


平面 x=t で切断すると,

   t^{2}+y^{2}\leqq 1 , z+2t^{2}-t^{4}\leqq 1 ,t≧0 , y\geqq 0 , z\geqq 0

整理すると,

   t≧0で, y^{2}\leqq 1-t^{2} , y\geqq 0 , 0\leqq z\leqq(1-t^{2})^{2},


 y^{2}\leqq 1-t^{2}をまた整理すると

    -\sqrt{1-t^2}\leqq y\leqq \sqrt{1-t^{2}}

で,y≧0 なので

   0\leqq y\leqq\sqrt{1-t^{2}}

また,ルートの中身は0以上なので,t≧0 も踏まえると,

   0\leqq t\leqq 1


従って,断面は

   0\leqq y\leqq\sqrt{1-t^{2}} かつ 0\leqq z\leqq(1-t^{2})^{2}

となり,2辺の長さが \sqrt{1-t^{2}},(1-t^{2})^{2} の長方形である

★なんと!ただの長方形.切断面わかりやすい.このように,次数が大きい文字で切断すると断面が分かりやすくなります.

その面積は,

   \sqrt{1-t^{2}}\cdot(1-t^{2})^{2}=(\sqrt{1-t^{2}})^{5}

よって,求める体積を V とすると,

★(1)が使える形に置換しましょう.

   V=\displaystyle\int_{0}^{1}(1-t^{2})^{\frac{5}{2}}dt

ここで, t=\sin\theta とおくと, dt=\cos\theta d\theta

t:0\rightarrow 1 のとき,\theta:0\rightarrow\dfrac{\pi}{2}

そして,\sqrt{1-\sin^{2}\theta}=\cos\theta より,

   
\begin{align}
 V&=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}(\sqrt{1-\sin^{2}\theta})^{5}\cdot\cos\theta d\theta\\
&=\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\cos^{6}\theta d\theta\\
&=C_{6}= \dfrac{5}{6}C_{4}=\dfrac{5}{6}\cdot\dfrac{3}{4}C_{2}=\dfrac{5}{6}\cdot\dfrac{3}{4}\cdot\dfrac{1}{2}C_{0}\\ 
&= \dfrac{5}{6}\cdot\dfrac{3}{4}\cdot\dfrac{1}{2}\int_{0}^{\frac{\pi}{2}}\theta=\dfrac{5}{6}\cdot\dfrac{3}{4}\cdot\dfrac{1}{2}\cdot\dfrac{\pi}{2}=\dfrac{5}{32}\pi
\end{align}