Math Lab

数学にセンスはいらない。

2013年 東工大 数学的帰納法 〜東工大の数学〜

2013年 東工大 第1問(1)

2次方程式 x^{2}-3x+5=0 の2つの解 \alpha,\ \beta に対し,\alpha^{n}+\beta^{n}-3^{n} はすべての正の整数 n について5の整数倍になることを示せ。

思考力,発想力なんかいらない!

5の整数倍なので,n=5k+1,\ 5k+2,\ 5k+3,\ 5k+4 と置きたくもなるのですが,n 乗がでてくるのでそれは厳しそう?

そこで,自然数 n を含む証明なので,帰納法が使えそう...

解答

数学的帰納法で証明する。

(i) n=1 のとき,\alpha^{1}+\beta^{1}-3^{1}=0 で成り立つ
(ii) n=k のとき,\alpha^{k}+\beta^{k}-3^{k} が5の整数倍であると仮定する.

★仮定から\alpha^{k+1}+\beta^{k+1}-3^{k+1} が5の倍数であることを示す

\alpha^{n}+\beta^{n}-3^{n} から \alpha^{k+1}+\beta^{k+1}-3^{k+1} の変形はきついか...

使えるものは全部つかう.

2次方程式 x^{2}-3x+5=0 の2つの解が \alpha,\ \beta なので

   \alpha^{2}=3\alpha-5,\ \beta^{2}=3\beta-5

\alpha^{2}=3\alpha-5 の両辺に \alpha^{k-1} かけて

   \alpha^{k+1}=3\alpha^{k}-5\alpha^{k-1}

\beta に関しても同様に

   \beta^{k+1}=3\beta^{k}-5\beta^{k-1}

これらより,

   \alpha^{k+1}+\beta^{k+1}=3\alpha^{k}-5\alpha^{k-1}+3\beta^{k}-5\beta^{k-1}

   \alpha^{k+1}+\beta^{k+1}=3(\alpha^{k}+\beta^{k})-5(\alpha^{k-1}+\beta^{k-1})


あれれ??? k-1 が出てきちゃった.変形もきつそう...

必要であれば,n=k,\ n=k+1 を仮定する

本当の解答

x^{2}-3x+5=0 の2つの解 \alpha,\ \beta に対して,

\alpha+\beta=3,\ \alpha\beta=5 を利用して

(i) n=1,\ 2 のとき ,

   \alpha^{1}+\beta^{1}-3^{1}=0 ,

   \alpha^{2}+\beta^{2}-3^{2}=(\alpha+\beta)^{2}-2\alpha\beta-9=-10

で5の整数倍である.

(ii) n=k,\ k+1 のとき5の整数倍を仮定する.

   \alpha^{2}=3\alpha-5,\ \beta^{2}=3\beta-5

\alpha^{2}=3\alpha-5 の両辺に \alpha^{k} かけて

   \alpha^{k+2}=3\alpha^{k+1}-5\alpha^{k}

\beta に関しても同様に

   \beta^{k+2}=3\beta^{k+1}-5\beta^{k}

これらより,

   \alpha^{k+2}+\beta^{k+2}=3\alpha^{k+1}-5\alpha^{k}+3\beta^{k+1}-5\beta^{k}

辺々に 3^{k+2} 引いて

   \alpha^{k+2}+\beta^{k+2}-3^{k+2}=3\alpha^{k+1}-5\alpha^{k}+3\beta^{k+1}-5\beta^{k}-3^{k+2}

   \alpha^{k+2}+\beta^{k+2}-3^{k+2}=3(\alpha^{k+1}+\beta^{k+1}+3^{k+1})-5(\alpha^{k}+\beta^{k})

\alpha^{k+1}+\beta^{k+1}-3^{k+1} は仮定から5の整数倍なので

\alpha^{k+2}+\beta^{k+2}-3^{k+2} は5の整数倍となる.

n=k+2 のときも5の整数倍なので帰納的に

\alpha^{n}+\beta^{n}-3^{n}

は5の整数倍になる.