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平均値の定理とその使い方

目次 平均値の定理とその使い方

平均値の定理って?

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平均値の定理は図と一緒に考えましょう.

簡単な証明

関数 f(x) を適当に,2点 a,\ b を図のように取る.

すると,2点 a, b を通る直線の傾きは \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}\cdots①

になりますね.

そして,ab の間にこれと同じ傾きを持つ接線を図のように引いてみます.

この接線の傾きを考えます.関数 f(x) の接線なので,f'(x)

接点の x 座標を c とすると f'(c)\cdots②

となります.

①=②なので

   \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}=f'(c)

このとき,a\lt c \lt b を満たす.
(関数によっては,複数接点をもちます)

これが,平均値の定理です.

日本語に言い換えれば,

「2点 (a,\ b) を通る直線の傾きと同じ傾きをもつ接線が少なくとも1本,ab の間に引ける」

ということです.

平均値の定理は不等式証明の道具!

さきほど,平均値の定理を簡単に証明しましたが,この定理を知っているだけではあまり意味がありません.「直線の傾き」を表わしているだけですから.

平均値の定理を知っているだけでは残念ながら問題を解くことはできません.

そこで,しっかりと覚えて欲しいのは,平均値の定理使い時です.


平均値の定理は不等式証明」に使うことがほとんどです.

え?不等式証明?不等式なんてあったけか...



もう一度,平均値の定理をみてみましょう.


ここに,不等式 a \lt c \lt b があります.

この不等式 a\lt c \lt b を利用する不等式証明がほとんどです.


形としては,

  • そのままの \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}
  • 分母を払った f(b)-f(a)\lt k(b-a)

の出題で,後者が多い印象です.


平均値の定理はマスターするまで時間がかかりますが,難関大を目指すのであれば知っておいて欲しいです.平均値の定理をしらないと解けない問題もたびたび出題されるので.


それでは実際に解きながら慣れていきましょう.

例題 不等式証明

(1)  0\lt a \lt b のとき \log b- \log a < \dfrac{b-a}{a} が成り立つことを証明しなさい. 

(14 慶應大・理工/設問削除)

(2) e自然対数の底とする.e≦p\lt q のとき,不等式
   \log(\log q)-\log(\log p)\lt\dfrac{q-p}{e} が成り立つことを証明せよ.

(01 名古屋大)

(3) a≧b\gt 0 とし,n自然数とする.次の不等式を示せ.
   a^n-b^n ≦ n(a-b)a^{n-1}

(06 筑波大/設問削除)

  

ポイント

  • 関数 f(x) を設定する
  • 不等式を利用して不等式を作る

解答

★関数 f(x) を設定する

平均値の定理f(x) で表記していますから,まずは,関数を設定しましょう.

(1) f(x)=\log x とおく.0\lt a \lt b平均値の定理を用いると,

f'(x)=(\log x)'=\dfrac{1}{x}より

   
\begin{align}
\dfrac{\log b-\log a}{b-a}&=f'(c)\\
&=\dfrac{1}{c}\ \ \ (a\lt c\lt b)
\end{align}

を満たす c が存在する.よって,

★不等式を利用して不等式を作る

a\lt c \lt b を利用して不等式を証明します.

   
\begin{align}
\dfrac{\log b-\log a}{b-a}&=\dfrac{1}{c}\\
&\lt \dfrac{1}{a}  (∵ (a\lt c))
\end{align}

   ∴ \log b-\log a<\dfrac{b-a}{a}


(2) 例題(1)と同じようにやってみます.
f(x)=\log (\log x) とおき,e≦p\lt q平均値の定理を用いると,

   f'(x)=\{\log(\log x)\}'=\dfrac{1}{\log x}・\dfrac{1}{x} より

   
\begin{align}
\dfrac{\log (\log q)-\log (\log p)}{q-p}&=f'(c)\\ 
&=\dfrac{1}{\log c}・\dfrac{1}{c}
\end{align}

を満たす c が存在する.e≦p\lt c \lt q なので,

   \dfrac{1}{\log c}・\dfrac{1}{c}\lt \dfrac{1}{e}

   ∴ \log(\log q)-\log(\log p)<\dfrac{q-p}{e}



(3) ラスト!
f(x)=x^n とおき,0\lt b≦a平均値の定理を用いると,f'(x)=n x^{n-1} より

   
\begin{align}
\dfrac{a^n-b^n}{a-b}&=f'(c)\\
&=n c^{n-1}\ \ \ (b\lt c\lt a)
\end{align}

を満たすが c 存在する.よって,

   
\begin{align}
\dfrac{a^n-b^n}{a-b}&=n c^{n-1}\\
&\lt n a^ {n-1}\ \ \ (∵\ \ (a \gt c))
\end{align}

   ∴ a^n-b^n\lt n(a-b)a^{n-1}

a=b で等号が成り立つので,

   a^n-b^n≦n(a-b)a^{n-1}

別解

2変数関数ときたら,一文字固定が基本です.
実はこっちが基本で,一文字固定でも解けます.

ただ,平均値の定理が使える不等式では,平均値の定理を使った方が圧倒的に楽なので,使えるようにしておきたいです.