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数学にセンスはいらない。

確率の最大値とその解き方

確率の最大値とその解き方

確率の最大値問題をまとめていきます.

p_{n} が2次や3次の簡単な式ならグラフを考えよ!

確率 p_{n} が分かりやすい関数のときはグラフを考えれば最大値がわかります.

でも,そう簡単にいかない場合も...

そんなときは②へ

② ①が無理なら p_n≦p_{n+1} を満たす n を求めよ.

確率の最大値問題の多くは,p_{n} が複雑で,①のように直接求めることができません.

このときは,p_{n+1}p_{n} の大小を比較,つまり隣同士の大小を比較して求めていきます.

どう比較するかというと,

p_n≦p_{n+1} を満たす n を考えます.比較の仕方は,

差をとるか,p_{n+1}-p_{n}≧0

商をとるか,\dfrac{p_{n+1}}{p_{n}}≧1


の2通りありますが,多くは商を取ることで上手く変形できます.

(なぜ商なのか,は問題を解くとわかるので,例題解説のときに.)

そしてこの不等式を満たす n を考えます.


たとえば,p_n≦p_{n+1} を満たすnが,1, 2, 3, 4 で等号成立が n=4 であったとしましょう.

満たす n を代入すると,

p_{1} よりも p_{2} が大きい,p_2よりもp_3 が大きい,・・・

n=4 で等号が成り立つとき,p_4p_5 は同じ

これは次のように不等式で表せ

p_1 \lt p_2 \lt p_3 \lt p_4=p_{5}

となります.今,p_n≦p_{n+1} を満たす, n を全て調べたので,他の n はすべて逆になります

よって,

p_1 \lt p_2 \lt p_3 \lt p_4=p_{5}>p_6>p_7>p_8\cdots


という関係が得られ,

確率を最大にする nn=4,\ 5

ということがわかります.


このように,直接最大値がわからない場合は,隣同士の大小を比較することで,確率の最大値を考えることができます.


それでは例題を通して実際にやっていきましょう.

例題 2011年 青山学院大・経営/一部設問削除

1枚の硬貨を繰り返し投げ,表が4回出たところで硬貨投げを終了する.終了するまでに硬貨を投げた回数が n となる確率を P_{n}\ \ (n\geqq 4) とする.
(1) P_{4}P_{5} を求めよ.
(2) P_{n}n を用いて表せ.
(3) P_n を最大にする n の値をすべて求めよ.また,そのときの P_n を求めよ

解答

(1)反復試行です

P_4 は4回とも表が出る確率であるから,

   P_{4}=\dfrac{1}{2^{4}}=\dfrac{1}{16}

P_{5} は4回目までに表3回,裏1回出て,5回日に表が出る確率である. 4回目までの表(裏)の出方が4通りあるので

   P_{5}= \dfrac{4}{2^{5}}=\dfrac{1}{8}

(2) いつ表が出るのか,を考慮しましょう.

P_n は,n-1 回目までに表が3回,裏が n-4 回出て,n 回目に表が出る確率である.

n-1 回目までの表の出方は {}_{n-1}\mathrm{C}_{3} 通りなので,

   
\begin{align}
P_{n}&= \dfrac{{}_{n-1}\mathrm{C}_{3}}{2^{n}}\\
&=\dfrac{(n-1)(n-2)(n-3)}{2^{n+1}\cdot3} \cdots ①
\end{align}

(3) 差を取るか,商を取るか.

P_{n} が積の形なので,商を取ることで約分ができ簡単になりそう。。。
と思ってもらえばよいかと思います.
確率の最大の問題は p_{n} が積の形で割ることで簡単になることが多いです.


n\geqq 4 に注意すると,

   P_{n}\leqq P_{n+1}

   1\leqq\dfrac{P_{n+1}}{P_{n}}

①より,

   
\begin{align}
\dfrac{P_{n-1}}{P_{n}}&=\dfrac{n(n-1)(n-2)}{2^{n+2}\cdot 3}\cdot\dfrac{2^
{n+1}\cdot 3}{(n-1)(n-2)(n-3}\\
&= \dfrac{n}{2(n-3)}  
\end{align}

よって,

   1\leqq\dfrac{n}{2(n-3)}

   2(n-3)\leqq n

   (4\leqq)n\leqq 6

(等号成立は n=6 のときのみ.)

従って,

   P_{4}\lt P_{5}\lt P_{6}=P_{7} \gt P_{8} \gt P_{9} \gt \cdots

であるから,P_{n} を最大にする n は 6, 7 となる.


そして,①より,

   
\begin{align}
P_{6}&=\dfrac{5\cdot 4.\cdot 3}{2^{7}\cdot3}\\
&=\dfrac{5}{2^{5}}=\dfrac{5}{32}
\end{align}