Math Lab

数学にセンスはいらない。

2014 名古屋大 通過領域 〜名大の数学〜

2014年 名古屋大 理系 通過領域

実数 t に対して2点 \mathrm{P}(t,\ t^{2}) , \mathrm{Q}(t+1,\ (t+1)^{2}) を考える.t-
1\leqq t\leqq 0 の範囲を動くとき,線分 \mathrm{PQ} が通過してできる図形を図示し,その面積を求めよ.

思考力,発想力なんかいらない!!!

今回も名古屋大の通過領域の問題を紹介します.通過領域は難関大は大好きです.


通過領域の解法は次のいずれか

  • 文字定数が存在する条件を考える
  • x を固定し,文字定数を動かす.

使いやすい方を選択しましょう.詳細はリンクを確認してくださいね.




名古屋大の数学は,その場で考え,発想力,思考力,計算力ともに高いレベルを求めてくる問題も多いですが,


今回のように,基本解法を押さえておけば十分完答可能な問題もあります.


試験ではこういった問題をいかに取るか,いかに落とさないか,が鍵になっていきます.


考え方・ポイント

文字定数の存在条件で攻めるか,文字定数を動かすかどちらで攻めましょうか.

文字定数の存在条件だと,解の配置の問題で -1≦t≦0 で少なくとも一つ実数解をもつ条件を求める.

文字定数を動かすと,文字定数の範囲が与えられているので,二次関数の最大最小に帰着させる.

どちらでも解けますが,解の配置は少なくとも,とあるので場合分けが面倒になりそう?

なので,最大最小問題で解いてみます.

また,線分PQをどう対応させるか?もポイントです.多くは直線PQですので...


それでは解いていきましょう.

解答

直線 PQ の方程式を求めると

   
\begin{align}
y&=\dfrac{(t+1)^{2}-t^{2}}{(t+1)-t}(x-t)+t^{2}\\
&=(2t+1)x-t^{2}-t\cdots①
\end{align}

である.そして,2点 P, Q は,y=x^{2} 上にあり,通過する線分 PQ 範囲は①の
y\geqq x^{2}\cdots②に含まれる部分である.よって,線分 PQ の通過範囲は,直線 PQ
の通過範囲のうち②に含まれる部分である.
直線 PQ の通過範囲は,①において x を固定して t の関数とみたときの y の範囲を求めればよい.

   
\begin{align}
f(t)&=(2t+1)x-t^{2}-t\\
&=- \left\{t-\left(x-\dfrac{1}{2}\right)\right\}^{2}+x^2+ \dfrac{1}{4}
\end{align}

とおき,-1\leqq t\leqq 0 における f(t) の最大値を M, 最小値を m を求める.

(i) M について
x- \dfrac{1}{2}\leqq-1 すなわち,x \leqq-\dfrac{1}{2} のとき

   M=f(-1)=-x

-1 \leqq x-\dfrac{1}{2}\leqq 0 , すなわち,- \dfrac{1}{2}\leqq x\leqq\dfrac{1}{2}のとき

   M=f\left(x-\dfrac{1}{2}\right)=x^{2}+\dfrac{1}{4}

0≦x-\dfrac{1}{2}, すなわち, \dfrac{1}{2}\leqq x のとき

   M=f(0)=x

(ii) m について
x- \dfrac{1}{2}\leqq-\dfrac{1}{2} , すなわち,x\leqq 0 のとき

   m=f(0)=x

- \dfrac{1}{2}\leqq x-\dfrac{1}{2} , すなわち,0\leqq x のとき

   m=f(-1)=-x

   f:id:mathchem:20170305134827j:plain:w300

以上から,線分 PQ の通過範囲は図のようになる.

そして,求める面積は,

\displaystyle2\left[\int_{0}^{\frac{1}{2}} \left\{\left(x^2+\dfrac{1}{4}\right)-x^{2}\right\}dx+\int_{\frac{1}{2}}^{1}(x-x^{2})dx\right]

=2\left(\left[\dfrac{1}{4}x\right]_{0}^{\frac{1}{2}}+\left[\dfrac{1}{2}x^2-
\dfrac{1}{3}x^3\right]_{\frac{1}{2}}^{1}\right)=\dfrac{5}{12}

★面積はおまけです.