Math Lab

数学に思考力,発想力なんかいらない!

Math Lab

数学に思考力,発想力なんかいらない!!!
MENU

三角関数と基本公式の証明

三角関数の基本公式と証明

三角関数は式変形が命です.

公式はその都度導いて練習しましょう.

「気づいたら覚えてしまった」という状態になるのが理想です.

三角比の相互関係

  • \tan\theta=\dfrac{\sin \theta}{\cos \theta}
  • \sin^2\theta +\cos^2\theta=1
  • 1+\tan^2\theta=\dfrac{1}{\cos^2\theta}

証明

  1. 上2つは単位円を描いて確認を.この2つは当たり前の感覚になるように.
  2. 3つめの式はの真ん中の式の両辺を  \cos^2\theta で割り.①を使うことで得られます.忘れても導けるように練習を!

加法定理

  • \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta
  • \sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta
  • \cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta
  • \cos(\alpha-\beta)=\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta
  • \tan(\alpha+\beta)=\dfrac{\tan\alpha+\tan\beta}{1-\tan\alpha\tan\beta}
  • \tan(\alpha-\beta)=\dfrac{\tan\alpha-\tan\beta}{1+\tan\alpha\tan\beta}


★加法定理は最重要公式です.これを用いて他の公式を全て導くので.必ず暗記.

★証明はできなくても良いかなと思います.

覚え方

  1. リズムで覚えちゃいましょう.好きなゴロ合わせでも.(\alpha+\beta) の方だけ覚えます.-+, - 入れ替えればよいので.
  2. \tan のおすすめ.「1引くタンタン(分母)タンプラタン(分子)!」勢いよく!これは\tan(\alpha+\beta)=\dfrac{\sin (\alpha+\beta)}{\cos (\alpha+\beta)}から導くこともできます.加法定理で展開して,相互関係を使うと作れます.

倍角公式

  • \sin 2\theta=2\sin\theta\cos\theta
  • \cos 2\theta=2\cos^2\theta-1, 1-2\sin^2\theta
  • \tan2\theta=\dfrac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta}

証明

★加法定理から全て導けます.忘れても導けるように練習を.最後は頭の中ですぐく作れるように.
2\theta=\theta+\theta として加法定理を適用することで得られます.


\begin{align}
\sin 2\theta&=\sin(\theta+\theta)\\
&=\sin\theta\cos\theta+\cos\theta\sin\theta\\
&=2\sin\theta\cos\theta
\end{align}


\begin{align}
\cos 2\theta&=\cos(\theta+\theta)\\
&=\cos\theta\cos\theta-\sin\theta\sin\theta\\
&=\cos^2 \theta-\sin^2\theta
\end{align}

ここで,
  
\begin{align}
\cos^2 \theta-\sin^2\theta&=\cos^2\theta-(1-\cos^2\theta)\\
&=2\cos^2\theta-1
\end{align}

また,
  
\begin{align}
\cos^2 \theta-\sin^2\theta&=(1-\sin^2\theta)-\cos^2\theta\\
&=1-2\sin^2\theta
\end{align}


\begin{align}
\tan2\theta&=\dfrac{\tan\theta+\tan\theta}{1-\tan^2\theta\tan\theta}\\
&=\dfrac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta}
\end{align}



半角公式

  • \sin^2\dfrac{\theta}{2}=\dfrac{1-\cos\theta}{2}
  • \cos^2\dfrac{\theta}{2}=\dfrac{1+\cos\theta}{2}
  • \tan^2\dfrac{\theta}{2}=\dfrac{1-\cos\theta}{1+\cos\theta}

証明

\cos の倍角公式から導く.\cos 2\theta=2\cos^2\theta-1, 1-2\sin^2\theta を変形して作ります.これも最後は頭の中で作れるように.

\cos2\theta=1-2\sin^2\theta から,
\sin^2\theta=\dfrac{1-\cos 2\theta}{2},角度を \theta\dfrac{\theta}{2} に置き換えると \sin^2\dfrac{\theta}{2}=\dfrac{1-\cos\theta}{2}

 次は,\cos2\theta=2\cos^2\theta-1 から,
\cos^2\theta=\dfrac{1+\cos 2\theta}{2},角度を \theta\dfrac{\theta}{2} に置き換えると \cos^2\dfrac{\theta}{2}=\dfrac{1+\cos\theta}{2}


\begin{align}
\tan^2\dfrac{\theta}{2}&=\dfrac{\sin^2\dfrac{\theta}{2}}{\cos^2\dfrac{\theta}{2}}\\
&=\dfrac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta}\\
&=\dfrac{1-\cos\theta}{1+\cos\theta}
\end{align}




3倍角

  • \sin3\theta=3\sin\theta-4\sin^3\theta
  • \cos3\theta=-3\cos\theta+4\cos^3\theta


★これも加法定理から導けますが,ゴロで覚えやすいので覚えた方が楽.

覚え方

\sin : 4歳引いて3歳参上!

\cos : 坊さんコスプレ,四国に参上!

どこがどう対応しているか,チェックしてみてください!

証明

これも倍角と同様に加法定理を適用することで証明できます.3\theta=\theta+2\theta で加法定理です.一度は手を動かして証明してみてください.




三角関数の合成

  • a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\sin (\theta+\alpha)
  • \alpha\sin \alpha=\dfrac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}, \cos\alpha=\dfrac{a}{\sqrt{a^2+b^2}} を満たすもの.


三角関数の不等式,最大最小値問題でむちゃくちゃ使います.合成の式を暗記することに何も意味はないです。.手順を追って毎回作れるように.すらすらできるまで十分に練習しましょう.


合成の仕方

  1. 図のような三角形を考える.(ax 座標,by 座標に対応)f:id:mathchem:20170227190133p:plain:w125:right \alpha=\dfrac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}, \cos\alpha=\dfrac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}を満たす.
  2. \sqrt{a^2+b^2} でくくる a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\left(\dfrac{a}{\sqrt{a^2+b^2}}\cdot\sin \theta+\dfrac{b}{\sqrt{a^2+b^2}}\cdot\cos \theta \right)
  3. 1.と加法定理の逆を考える.  a\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\left(\cos\alpha\cdot\sin \theta+\sin\alpha\cdot\cos \theta \right)\sin(\theta+\alpha)=\sin\theta\cos\alpha+\cos\theta\sin\alpha なのでa\sin\theta+b\cos\theta=\sqrt{a^2+b^2}\sin (\theta+\alpha)


またも加法定理でした.合成は単なる加法定理の逆をやってるだけですね.




積和,和積 公式 例

  • 和積:\sin x+\sin y=2  \sin\dfrac{x+y}{2}\cos\dfrac{x-y}{2}
  • 積和:\cos x \cos y = \dfrac{1}{2}\{\cos(x+y)+\cos(x-y)\}

どんなとき使うか

★和→積

三角関数の基本公式を用いてもどうにもならない方程式・不等式

→積の形に直せるので方程式・不等式に強くなります.

★積→和

・数の三角関数積分で次数を下げたいとき,積→和に直します.

三角関数積分は積にはめっぽう弱いので次数を下げます.

作り方

これもすべて加法定理から導くことができます.問題に応じて必要な式を作っていきましょう.覚える必要は一切ないです.使用頻度も倍角・半角にくらべたら少ないのですし...

まずは和積.

加法定理から作れることを意識しましょう.
今回は \sin の和を変形したいので,\sin の加法定理

  \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta

  \sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta

両辺足して

  \sin(\alpha+\beta)+\sin(\alpha-\beta)=2\sin\alpha\cos\beta

両辺2で割り,\alpha+\beta=x, \alpha-\beta=y から

  \sin x+\sin y=2  \sin\dfrac{x+y}{2}\cos\dfrac{x-y}{2}


次に積和.

\cos の積を変形したいので,\cos の加法定理を.
 
  \cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta

  \cos(\alpha-\beta)=\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta

両辺足すと,

  \cos(\alpha+\beta)+\cos(\alpha-\beta)=2\cos\alpha\cos\beta

両辺2で割り,\alpha=x, \beta=y とすると,

  \cos x \cos y = \dfrac{1}{2}\{\cos(x+y)+\cos(x-y)\}