Math Lab

数学にセンスはいらない。

三角関数と最大・最小値問題の解き方 

三角関数と最大・最小値問題の解き方

三角関数の最大・最小値問題は式変形が命です.複雑そうに見える式でも次のルールに従って変形することで求めることができます.問題を解きながらパターンを覚えていきましょう.覚えるまでは大変ですが,解法を覚えてしまえば何も怖くありません.

角度をそろえ,\sin or \cos の一方の式へ

  1. \sin^2\theta +\cos^2\theta=1 の利用→二次関数へ
  2. 加法定理,半角・倍角の利用→角度をそろえる
  3. 1次の \sin, \cos の和なら合成の利用→\sin の1次式へ
  4. \sin, \cos の対称式なら基本対称式 t=\sin \theta+\cos \theta と置換→t の2次や3次関数へ帰着
  5. 1〜4でも無理なら微分で増減調べる(数Ⅲ)

例題1 \sin^2\theta +\cos^2\theta=1 の利用→二次関数へ

y=\sin^2\theta -\cos\theta (0≦\theta≦\pi) の最大値と最小値を求め,そのときの \theta を求めよ.

解答・解説

   
\begin{align*}
y &=\underline{\sin^2\theta}_{①} -\cos\theta \\
&=(1-\cos^2 \theta)-\cos\theta-1\\
&=\underline{-\cos^2\theta-\cos\theta}_{②} \\
&=-\left(\underline{\cos\theta}_{③}+\displaystyle\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{4}
\end{align*}


f:id:mathchem:20170227150749p:plain:w250:right
-1≦\cos\theta≦1\ \ (∵ 0≦\theta≦\pi) に注意して
グラフから,\displaystyle \cos\theta=\frac{1}{2},つまり \displaystyle \theta=\frac{\pi}{3} のとき最大値 \displaystyle \frac{1}{4} をとる.また,\cos\theta=1,つまり \theta=\pi のとき最小値-2をとる.


  1. 2乗をみたら \sin^2\theta +\cos^2\theta=1 を使って \sin または \cos の2次式へ変形.
  2. 2次関数の最大・最小値問題へ帰着.もちろん平方完成.
  3. 定義域には注意必ず注意.なれないうちはちゃんと丁寧に置き換える.


例題2 加法定理,半角・倍角の利用→角度をそろえる

関数 \displaystyle f(x)=2\cos 2x+6\sin^{2}{\frac{x}{2}} の最大値,最小値を求めよ.

解答・解説

倍角・半角の公式より,
   
\begin{align*}
f(x)&=2\cos 2x+\underline{6\sin^{2}{\frac{x}{2}}}_{①}\\
&=2(2\cos^{2}x-1)+6\cdot\frac{1}{2}(1-\cos x)\\
&=4\cos^{2}x-3\cos x+1\\
&=4 \left(\cos x-\frac{3}{8} \right)^2-\frac{9}{16}+1
\end{align*}
f:id:mathchem:20170227162923p:plain:w250:right

-1≦\cos x≦1 なので,右図から,

f(x) の最小値は -\displaystyle \frac{9}{16}+1=\frac{7}{16} であり,最大値は f(-1)=4(-1)^2-3\cdot(-1)+1=8



  1. 2乗があるので,\sin^2\theta +\cos^2\theta=1 が使いたくなりますが,角度がそろってないので使えません. そこで2に進み,半角・倍角公式を用いて角度をそろえます.後半は例題1と同様に,二次関数の最大最小値問題に帰着させています.


例題3 1次の \sin, \cos の和なら合成の利用→\sin の1次式へ

. \displaystyle \sin 2\theta-\cos 2\theta\ \ \left(0\leqq\theta\leqq\frac{\pi}{2}\right) の最大値,最小値を求めなさい.

解答・解説

三角関数の合成により,
   
\sin 2\theta-\cos 2\theta =\sqrt{2}\sin\left( 2\theta-\dfrac{\pi}{4}\right)
となる.

f:id:mathchem:20170227162935p:plain:w150:right

   -\dfrac{1}{\sqrt2}≦\sin\left( 2\theta-\dfrac{\pi}{4}\right)≦1

   -1≦\sqrt 2\sin\left( 2\theta-\dfrac{\pi}{4}\right)≦\sqrt 2

となるので,

求める最大値は -1,最小値は \sqrt 2


すでに角度はそろっています.目標は \sin\cos 一方の式を作ることでしたね.このときは,三角関数の合成を用いてまとめることができます.


例題4 角度をそろえ直す

0\displaystyle \leqq x\leqq\frac{\pi}{4} のとき,関数  y=\cos^2 x+4\sqrt{3}  \sin x \cos x-3\sin^2 x の最大値と最小値を求めよ.また,そのときの x の値を求めよ.

解答・解説

倍角・半角公式から
   
\begin{align*}
y&=\cos^2 x+\underline{4\sqrt{3}  \sin x \cos x}_{①}-3\sin^2 x \\
&=\displaystyle \frac{(1+\cos 2x)}{2}+2\sqrt{3}\sin 2x-\frac{3}{2}(1-\cos 2x)\\
&=4\left(\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}\sin 2x+\frac{1}{2}\cos 2x\right)-1\\
&=4\sin \left(2x+\frac{\pi}{6}\right)-1
\end{align*}
f:id:mathchem:20170227162939p:plain:w150:right

角度の範囲が \displaystyle \frac{\pi}{6}\leqq 2x+\frac{\pi}{6}\leqq\frac{2\pi}{3} なので,\dfrac{1}{2}≦\sin \left(2x+\dfrac{\pi}{6}\right)≦1となる.

よって 2x+\displaystyle \frac{\pi}{6}=\frac{\pi}{2}, すなわち x=\displaystyle \frac{\pi}{6} のとき最大値 3 をとる.2x+\displaystyle \frac{\pi}{6}=\frac{\pi}{6}, すなわち x=0 のとき最小値 1 をとる.


  1. 1番の問題のように \sin^2\theta +\cos^2\theta=1 を使おうとする子が多いですが,\sin, \cos の積があるのでうまくいきません.
  2. このままでは式変形がきついので倍角・半角を利用して角度を揃え直します.これにより合成できる形へ.
  3. 1次の三角関数なので,後半は例題3と同じです.




例題5 \sin, \cos の対称式なら基本対称式 t=\sin \theta+\cos \theta と置換→t の2次や3次関数へ帰着

 y=\sin\theta-4\sin\theta\cos\theta+\cos\theta の最大値, 最小値を求めよ.

解答・解説

   
y=\sin\theta-4\sin\theta\cos\theta+\cos\theta

 t=\sin\theta+\cos\thetaとおく.

    
\begin{align}
t^{2}&=\sin^2\theta+\cos^2\theta+2\sin\theta\cos\theta\\
&=1+2\sin\theta\cos\theta
\end{align}

より 2\sin\theta\cos\theta=t^{2}-1 となるので,

   
\begin{align*}
y &=\sin\theta+\cos\theta-2\cdot2\sin\theta\cos\theta\\
&=t-2(t^2-1)\\
&=-2t^2+t+2\\
&=-2\left(t-\displaystyle \frac{1}{4}\right)^2+\displaystyle\frac{1}{8}+2
\end{align*}


ここで,t の範囲を調べる.

   t=\displaystyle \sqrt{2}\sin \left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)

と変形でき,
 0\leqq\theta<2\pi であるから

   -1≦\displaystyle \sin \left(\theta+\frac{\pi}{4}\right)≦1

となり,t の範囲は

   -\sqrt{2}≦t≦\sqrt{2}

となる.

f:id:mathchem:20170227162930p:plain:right:w200

そしてグラフを考えると

y の最大値は,t=\displaystyle \frac{1}{4} のときで \displaystyle \frac{1}{8}+2=\frac{17}{8}

y の最小値は,t=-\sqrt{2} のときで -2\cdot 2+(-\sqrt{2})+2=-2-\sqrt{2}


  1. \sin, \cos の対称式は基本対称式 (t=\sin \theta+\cos\theta) で置換します.
  2. t の式へ変形するために,t=\sin \theta+\cos\theta を2乗して \sin, \cos の積の形を t で表現します.数Iで扱った対称式の解法と同じですね.
  3. そして一番注意して欲しいのが置き換えたらちゃんと範囲を調べること!範囲を調べることは最大値と最小値を調べることと同じことなので,何をやればよ良いか,もう大丈夫ですね.
  4. また,3次の対称式なら3乗して3次関数へ帰着.3次関数の最大・最小は微分して調べる.さらに,入試では誘導付きで様々な置換をさせられますが,やることは同じです.